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「久住高原採草用牧草地における裸地発生に関する研究」

 2006年春、いくつかの採草地に裸地が発生していることが確認されました。

1)消えた草種は何か?
 衛星画像を用いた裸地発生以前のリモートセンシングによる植生分布図と裸地分布図から、イタリアンライグラスの一部が消失したことを確認した。

2)前年2番草における下種の可否、3番草後の発芽条件について検討した。
前年の2番草刈り取り時期から、イタリアンの下種は確実であったと考えられた。また、発芽時期である10月の気象条件にも発芽・初期生長を阻害する特別の要因は認められなかった。

3)土壌pH、土壌硬度、根系分布などの調査を行った結果、裸地化が見られた草地を含むこの地域の多くの草地において、生育する植物の根 系が著しく浅い層に分布し、簡単にはぎ取れる状態にあることを確認し、土壌の著しい酸性化に伴うAlによる根の伸長阻害が起きていることが、裸地化の背景にあると推察した。

4)裸地部の表層に未分解植物遺体の厚い層が形成されていた。

5)この層は、刈り取り残渣と一年生のイタリアンやメヒシバ、イヌビエの土壌表層に分布する枯死根系(永年草のルートマットに相当)の未分解有機物であった。

6)未分解植物遺体層の形成は、1年生イネ科草の交代草地という植生から、毎年多量の枯死部が供給されること、土壌pHの低下による分解速度の低下などに起因するものと考えられる。

7)この未分解有機物層は、乾燥により収縮し、冬季には土壌層との間に霜柱が生長し、持ち上げられる現象も観察された。

8)この層の存在がイタリアンライグラスの発芽・初期生長を阻害したと推察している。

現在も原因と対策に関する研究を継続中

 

   『火山灰土壌では、土壌pHの動きに常に注意   が必要』

   近年の急速な酸性化の原因は何でしょう?

*酸性雨の影響を指摘する人もいます。
*化学肥料の中には、土壌をいろいろな原因で  酸性化する成分を含むものがあります。
*例えば、カリ肥料では塩化カリ、窒素肥料では 硫安があります。
*火山灰土壌の草地では、窒素肥料は尿素を基 本に施用し、硫安の施用は控えましょう。
*硫安を配合した化成肥料は比較的安価で、利用しやすいのですが、土壌pHを急速に低下させます。
*土壌pHを常にチェックし、石灰等の土壌改良材の施用を!

 (安い硫安配合肥料+消石灰)と(尿素配合肥料)とどちらが経済的か計算してみる必要がありそうです。

 

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