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肉用子牛生産地域における「6次産業化と地域振興」の課題を探る講演会


 
11月中旬、久住・直入地域牧場協議会のメンバーと九州大学農学研究院 福田 晋教授の講演会に参加しました。

肉牛経営における事例をもとに6次産業化の課題が説明されました。

そこでは、

    子牛生産(繁殖)現場と肥育現場の相違と分離が国民に理解されていないことを踏まえて、繁殖と肥育 との連携をいかに構築するか

    繁殖と肥育による連携、とりわけ放牧メリットをつなげる連携を確立することが6次産業化のスタート

    放牧による生産プロセス情報をいかに消費者に伝えるか→環境、健康のシグナルの発信

    放牧技術と繁殖経営レベルに限定されていた従来の放牧推進は、販売、牛肉生産、加工に伝達されてい ない

    環境保全に貢献し、健康で低コストの肉牛を生産するという観点は、多くの消費者に受け入れられる  →この目標をもとに、繁殖産地、肥育産地、卸・小売の連携を図る 

などの指摘がありました。

 また、フランスの「原産地呼称保護」や「地理的表示保護」、EUの地理的表示制度を紹介されました。これらは、農村地域発展のツールとして、
・農業エリアの住民を維持する、
・農村エリアを持続的に活性化させる、
・伝統的な手段を通じて生産された高品質の製品を促進する、
・国の農業農村の遺産に価値を加える、
・生物多様性を発展させる、
などの役割を担っています。

 むすびとして、

○「6次産業化に必要な関係性のマーケティング」の視点として、消費者との関係を創造し維持することを中心的な課題とする、

○「消費者との関係」とは、産地と消費者が交流を重ね、
産地における生産過程を消費者が理解し、場合によってはその生産過程に消費者からの要求が入り、その上で契約が成立するというもの、

○この関係性は単に消費者との関係だけにとどまらず、産地組織と卸・小売との取引にも該当し、固有の関係性を作り出す、

6次産業化は、商品の販売に限定せず、消費者との長期的な関係を重要視する、

ことが述べられました。

 私たちの「博物館活動」も、肉牛飼養を柱とする地域農業が、どのように地域環境の維持に貢献し、地域の自然を生かして合理的に営まれているかを明らかにし、伝える活動です。

農産物は地域の個性が体現化したものであり、それへの共感が農産物の流通と消費の基盤となるように!

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